<走れ!じゃじゃ馬>

第31話は教育実習生、森下先生のお話。

長太郎にどう対してよいか悩んだ先生は、担任の寺山先生から、(まあ、友達のように接する、これが一番のコツですよ。)と言われた。

友達…寺山先生のことだから、森下先生にもっと気楽に過ごして欲しいという思いや、短い間で何らかの手応えをつかめなければならない実習生を思いやったのかもしれない。

寺山先生は、長太郎に友達のようには接し方はしていないと思う。長太郎にピシャリと叱るシーンなどを見ても、厳然と、教える、諭す側の態度があり、威厳もある、まごうかたなき先生だ。

だから、あえて友達のように、と言ったのかも。

新しい環境に飛び込んでいくことは誰しも大変で、森下先生のように心が折れてしまうこともあるだろう。
そして、成長過程にあるもの同志だからこその、この時しかない出会い、経験がある。

教育実習生である森下先生も、長太郎もまだまだ変わっていく存在。

生徒全員に嫌われている、と置き手紙を書いた森下先生もやがて、弱さを克服して、持ち前のファイトと情熱を生かした教師になっていくだろう。そして長太郎も意地を通すところはそのままに、子供ながらの奔放さを脱ぎ捨てる日もやってくるだろう。

でも、長太郎のような子は先生にしたらやっぱり大変なのだろうか。