<あばれサーカス>

第68話あばれサーカスマルヒ作戦を見かえす。山根優一郎さんという方が脚本を書かれているが、とても温かく人を見ているようで、この他に何本かあるが、心に残る話が多い。

この話では、見方によっては長太郎は乱暴者で意地張り、頑固者という面もあるが、約束を必ず果たすという素晴らしい面を救い上げるかのように描いている。

それは、人間を多面的に重層的に見てほしいというメッセージなのかもしれない。乱暴者、劣等生と切り捨てるのではなく、そういう子の中にあるかくされた、素晴らしい個性的な考え方、行動を長太郎に託し、育んでくれているよう。

そして一つの性格が裏目にでて、失敗したり、欠点となってしまうことも合わせ描く。

失敗しつつも、長太郎の約束を果たすという良い面を輝かせるように描いている。

長太郎は等身大であったと見ていた方が言う。性格が裏目にでて欠点に見られたり、失敗することも皆、経験することであり、きちきちにかっこよく描かないところも、共感できたポイントなのだろう。

そんな皆の鏡のようでもある長太郎の良さが、実を結んだ時、やはり良かったなと思う。

実を結んだとは、みゆきちゃんに分かってもらえたこと。みゆきちゃんは長太郎のサーカスを身じろぎせず、見いっていた。その純真な眼差しの中で、長太郎の約束をはたす真摯さに打たれた。この回も含め、みゆきちゃんとの関係は対等な関係でないように思える。ずばっと冷徹に諭したり、公平に判断できて、長太郎の成長を促す人物であるようにも思える。実際、この頃の女子が男子より成長しているところがでていて、リアルに感じる。