<母ちゃん>

言わずと知れた男!あばれはっちゃく母ちゃん、桜間和子役、久里千春さん。このシリーズのみならず全ての長太郎の母ちゃんを演じてくださった。

最初の設定資料では、かかあ天下的な父ちゃんを尻に敷くタイプだったそうだが、皆が懐かしく思うような母のイメージに近く、父ちゃんの威の陰でいつも支えてくれるような献身的なイメージ。

父ちゃんが母ちゃんは桜間家の太陽、と言っていたように、明るくて、家族が安心できるような慈愛に満ちた存在。


第8話で長太郎が友達が出来ないことを心配し、邦彦の誕生パーティーに招かれた時、身仕度の世話を焼いてくれた。長太郎のいつもと違ったよそいきスタイルを見ると、母ちゃんの気遣い、女性の細やかな気遣いが感じられ、ああ、母ってこうなんだよな…と感じる。長太郎が家庭教師を頼まれた時のシャツやハイソックスを見たときも、母ちゃんが世話やいてくれたんだな…と微笑ましく思った。

太陽のような母ちゃんの優しさは、仕事と家庭を両立する強さが芯にある、優しさ。理容の仕事をしながら庶民的な普通の生活を切り盛りしていくことは苦労の連続なのだ。

そんな中でも仕事が定休の時さえも、お年寄りの世話に出向き社会貢献したり、ママさんバレーに熱中したりバイタリティー豊かに描かれている。


長太郎が帰宅してランドセルを投げ込んでいた場所は正に母ちゃんの仕事場。

間近で自営で母が働く姿を見ているという事はこのシリーズ以降だが、今日明日の糧を稼ぐ場と暮らす場が一緒になっているということ。

二代目長太郎の創意工夫や、商売気質なところは、そんな母ちゃんを毎日間近で見ていたというのが大きいのかもしれない。

久里さん演じた母ちゃんは皆、視聴者は掛け値なしに好きな登場人物だっただろう。私も、母ちゃんの回を見ながら、久里さんの母ちゃんは勿論、やはり働いて家事もこなした母の姿を重ねて、母の存在に敬意と懐かしさを感じてしまった。