<良かったな、長太郎>
とりあえず、長太郎は恋に関しては奥手ではなくて積極的です。最初からかなり好意をダイレクトにみゆきちゃんに伝えています。小学生高学年くらいだと、好きな気持ちをあからさまにする子は少ないのではないかと思います。いや、私の個人的な思いで今の子たちはもっと進んでいるのかもしれませんが。小学生くらいだと恋愛感情も淡く、たとえば、逆にいじわるをしてみたりからかったりして、素直になれなかったりするのではないかと。むしろ、長太郎がひろ子ちゃんにみつあみを引っ張ったり、けとばしたりするような行為が好きの裏返しだったり。長太郎はクラスの中でも極端にみゆきちゃんをちやほやするので女の子たちからは少し反感、男の子にはからかわれたりします。この長太郎の好きな子に対する態度が、私にはあばれはっちゃくがお兄さんな、大人びた感じを醸し出しているように感じます。柿の葉さんの記事で読ませていただいた(柿の葉さん、ありがとうございます)、山際監督のインタビューに、あばれはっちゃくは疑似恋愛的なものを小学生に持ち込んだのが新しかった、とあり、なるほど、と思いました。

長太郎はみゆきちゃんが好きですが、みゆきちゃんは長太郎の人間性に良さを見た時に好意をみせる位でよきクラスメイト以上のそういった感情はないようです。みゆきちゃんの眼差しは公平さがあってきちんと善悪が計れてすごいな、と思います。何気に長太郎を助けたり叱咤したりして、よきように導いてくれたりします。これはこれでよい関係性といえるのではないでしょうか。

長太郎はみゆきちゃんを一方的に好きな感じですが、結構、みゆきちゃんとデートもどきな状況になったりしています。そんな時、長太郎は嬉しいだろうな、良かったな、長太郎!と思ってしまいます。