<第6話掃除はプロだぜマル秘作戦>もよいですね。ある日の熊田道場。合気道の稽古中、ドン平が暴れた為に、お地蔵さんが倒れ、仙海和尚が足を骨折してしまいます。
父ちゃんたちに長太郎は例によって叱り飛ばされます。
(言い訳する口でなんで謝らないんでいっ!)父ちゃんのどつきレトリックはいつもちょっと笑えます。

和尚さんの世話をする為に長太郎はお寺に住み込みになります。

この回の長太郎は悪態ぶり、ドタバタぶりを含めて子供らしさ、コミカルさ全開です。
浄念寺に、和尚の付き合いのある古美術商の谷岡という男が現れ、浄念寺の仏と対になる仏が見つかったと和尚に仏像を売りに来ます。足を折り、檀家にも赴けず2百万という高額でなかなか手がでない和尚の為に長太郎が閃かせた秘策は・・・

お葬式の予約の宣伝をするというもの…(お葬式の大安売りだよー死にそうな人がいたら予約をどうぞー!)長太郎の宣伝の閃きはその後も出てきますね。ちとせ医院の前だったので当然のようにみゆきちゃんのママが怒鳴り込んで、父ちゃんにまだどつかれるパターン。
(おめえのような果てしのねえバカは見たことがねぇや!)果てしのねえ、はすごいですね。例の父ちゃんの名台詞がでます。

さて、月賦でなんとか仏像を手にいれた浄念寺。長太郎が仏像を汚いからといって洗うと、中から材木が露出して…偽物だったのですね。(ラワンだねこれ。寄せ木で、嵌め込み式になってやんの。)意外に長太郎は雑学家の面がありますね。


怒った長太郎、騙した谷岡を追いかけます。銭湯に入っていた谷岡の服を奪い、寺まで誘き寄せます。和尚さんに対して、決まりの悪そうな谷岡。
和尚(仏像ねえ、偽物だったんですよ。あんたも悔しいでしょうなあ。こんな偽物をつかまされて。)
長太郎(何言ってるんだよ、和尚さん、こいつは騙したんだよ!)
和尚(騙したんじゃない、この人も騙されたんじゃ。)

このやり取りが話をキリリと締めていますね。相手を裁かず思いやる慈悲深い仙海和尚を演じたのは竹田光裕さん。私は存じ上げなかったですが、太陽にほえろなどに出演されていた俳優さんなのですね。耳の動きで驚きを表現できる俳優さんははじめてお目にかかりました。

あばれはっちゃくは後味が爽快でいいんですよね。改めて、そこが信条なんだと思いました。

脚本 市川靖さん、監督 山際永三さん。 最初の十話くらいは粒ぞろいだな、と思います。