私は昭和五十年生まれなのですが、あばれはっちゃくは随分年上のお兄ちゃんたちだと当時から思っていました。最近になって、歌謡グループ純烈のリーダー酒井一圭さんが五代目あばれはっちゃくで、誕生日も3日違いなのを知り、焦然としました。余りにも、ぼんやり生きていたせいか、自分がはっちゃく世代なのだと今更認識しました。凄く馬鹿な思いなのですが、自分が小学校の門をくぐった時、二代目あばれはっちゃくは小学校を卒業した、ということが、何となく、寂しく感じてしまうのです。同じ学校にいたわけでもないのに、自分ながら、下らない思いだと思いますが。男!あばれはっちゃくを見るとき、もちろん36歳の目線で楽しむのもありますが、当時6歳の目線もあって、栗又くんを永遠のお兄ちゃんというか、たくましく、憧れに似た気持ちでみてしまいます。全く反対の大人しい子供だったので。第一話は、自分にとっては、全話そうですが、栗又くんを見せる(魅せる)回です。それまでのテスト出演などの成果でしょうが、栗又くんによるはっちゃく演出に既に迷いがないように感じます。(素人の勘違い、栗又くんの贔屓目でごめんなさい)ああ、こんな子なのだな、とすっと馴染みます。表情もすごく豊か!で何回も見てしまいます。馬鹿にした兄貴をベッドの上から睨み付ける顔、お隣に挨拶に行く気満々の唾でヘアセットするよなとぼけた顔、邦彦父と引っ越し祝いの席で、(うるせえ!)と噛みつかん勢いで兄貴を睨む顔…本当にビビッドな演技を見せてくれます。見せ場のみゆきちゃんとの合気道の決闘シーン。栗又くんがコロコロと転がるシークエンスは体つきを生かしたのか、いっそ気持ちよく見れます。受け身が出来ているようなところも?すごいです。運動神経が良かったのでしょう。
最後の明日もあばれるぞやっ!!とストップモーションになる演出は初代からのお決まりだと思いますが、今ではなかなかお目にかかりません。専門的なことはわかりませんが、なんとなく、主に児童である視聴者にちょっぴり投げかけているというか、動のなかの一瞬の静止で話を印象的にしているのかな、と思います。第一話ではないのですが、事務机の上をずざざざーとうつ伏せで滑る、やっ!!が印象的でした。又、見たいです。
写真集では、一番、コラムの内容が好きなので、栗又くんに関するところを一部抜き出します。
栗又厚君はひとりっ子。お母さんがたくましく育てたい、ということで、冬でも半そでのシャツ一枚と靴下なしで過ごしていた。そのせいかとても強い皮膚をしていて、ふとももなどパンパンにはっている。ところがその身体のたくましさとはまるで反対で性格は実におとなしい。遠慮がちにスミに引っ込み、誘ってもなかなか仲間に入ってこない。声も力が泣くように小さい。せっかくのはっちゃく向きの姿なのにこれでは…と、スタッフ一同で大きな声をだす訓練から始めた。部屋にでいりするたびに、僕は栗又厚、あばれはっちゃくです!とどなってもらうのである。声が小さいとやり直しだ。まるでやけっぱちに見えるくらいの大声をあげるのがおかしかった。主役になってからは次第に態度も堂々としてきて、ドテンと座の中央にすわるようになった。ところが、友紀君がいるとダメである。まったく昔のとおりのおとなしさにもどり、大きな身体を小さく丸めてしまう。ニガテは水泳、五年の時、三メートルの高さから飛び込みがあり、この時だけは本当に泣いて逃げた。その彼も今は中学生で、ドラムに夢中だ。(熱血あばれはっちゃく写真集、68頁、コラム、個性的な三人の長太郎より)

そのあと、第一話をみると、感慨ひとしおです。すごく栗又君は努力もされたのだとわかります。


追記。知らぬは愚ばかりなり。皆様の大切な作品を、素人の感想で不快にしてしまったら、本当に、申し訳ありません。頭の弱い輩の戯言、一笑に付していただけたら有難いです。