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ボーダーのシマシマシャツに、短い半ズボンの長太郎を見ると、ああ、あばれはっちゃくダナと思う。小さい頃のはっちゃくの記憶はこの栗又厚さんのはっちゃくだったと思うんだよナ…。
この格好を見ると、無骨な長太郎のイメージが湧いてくる。
大雑把なのだけど、大胆で、荒療治ではあるが、ジンワリ優しさが感じられるようなそんな人柄。
しかし…冬でもこの格好…長太郎だからとはいえ、スゴすぎる。当時は今と違い、冬の冷え込みが半端なかったと記憶している。
小学二年生の頃、廊下に溢した水が次の時間凍っていて、すごく先生に叱られた記憶があり、霜焼けも茶飯事であったから。三代目の故郷、栃木。
長太郎はよく怒鳴る。
長太郎は無骨な男だから、決してなまやさしい言葉は吐かない。
いや、怒鳴ってくれているのだ。
何かに躊躇している時、一歩踏み出せる勇気をもつように。背中をドン、と押してくれる。
それが、桜間長太郎の男らしさなのカナ。
昨今は男女の役割も混淆して、男らしさを大上段に構えることも余りないけど。この頃は、まだ潔さとか、有言実行とか男らしさの規範があったのだろうナ。
ああ、もっと心の柔らかい内に、熱心にあばれはっちゃくを見ておきたかったなあ(笑)
長太郎に怒鳴られて、せめて、少し、もうちょっとしっかりせねば、と思う…。